九頭竜大社からのお知らせ
2020年3月21日 公式ブログ
父親
ある日の早朝のことです。ある若い夫婦の方がお千度参りをしておられました。毎月のようにお参りなさる方です。
奥様が何となくゆっくりとお千度をされているように…お腹が少し大きくなっておられるような…もしかしたら…私はそんな風に思ってお二人を見ておりました。
お千度を終えられて社務所に入ってこられました。たまたま旦那さまと私の二人だけになりましたので、お声がけしてみました。
「奥様…おめでたでいらっしゃいますか?」
「そうなんです。二人目なのですよ。」
「そうですか。おめでとうございます!」
少しお話しさせていただきました。
「私たち、引っ越しすることにしたのです。今までは大阪市内に住んでいたのですが、同じ府内の別の市にです。」
「そうなのですね。いろいろとたいへんでいらっしゃるでしょう。」
「実は妻の父親が遠方に一人暮らしをしていたのですけれども、この引っ越しを機に、義父を大阪に呼んで一緒に住もうということになりました。」
「お義父さまとご一緒にお住まいになるのですね。」
「ええ、私は早くに父を亡くしまして…だから、あまり父親というものを知らずに育ったのです。ですから、今2歳になるわが子と、これから生まれてくる子には、父というものを感じて育ってほしいな、とも思ったのです。」
「ああ、そうでいらっしゃったのですね…」
「もちろん私が父親なのですから、しっかりしないといけないのですけれどもね!なかなか引っ越ししてすぐに保育園に入れることは難しそうなのです。だから、おじいちゃんにも少し子供たちのことを見てもらおう、と、そんな風にも思っているのです。子供たちに、より父を感じて育ってほしいな、と。」
「それは素敵なことでございますね。」
「私と妻、2歳のわが子、義父と、毎月おローソクを4本お供えしてお千度させていただいているのです。九頭竜弁財天大神様にはいつもお守りいただいています。今日はお話し出来てよかったです。」
いえいえ、こちらこそよいお話をお聞かせいただき感謝申し上げます。
そうですか…では、もうすぐお供えされるおローソクが5本になるのですね!(^^)!
ご夫婦がお帰りになられた後、境内には日が射し込み、ウグイスの鳴き声が響いていました。
皆様方、幸いにお進みになりますように。