人間が自力だけで何かを成すことは出来ないのです。
神主をして神様にお仕えいたしておりますと特にそのことを強く感じるのですが、きっとどのようなお仕事であってもそうなのではないでしょうか。特に大きな成果を挙げる時というのは、自分を超えた不思議で大きな力、言い換えれば神様の奇蹟のお力がはたらくのではないかと思うのです。
私の感覚では何か大きなことを成す時というのは、大部分はもう、神様の成せる業なのです。それが率直な私の思いです。本当にそんな風に感じるのです。
とは言っても、私は「何としても〇〇をやりたい」という強い思いを起こすのです。そして実際にそれをやるのです。それがほんのわずかな自力の部分だと思うのです。そういった思いや実際にやるという行動がなければ、九頭竜弁財天大神様の奇蹟のお力をいただいて何事かを成すということは起こらないのです。
その「思い」や「行動」が自然に帰ったものかどうかが大切なのです。
「明るく穏やかに、無理をすることなく、自分らしく自然体で、やるべきことややりたいことをやって、思いやりや感謝の心を忘れずに人生を歩んでゆきましょう」それが九頭竜大社の「自然に帰れ」の教えです。「自然に帰れ」の御教えは、九頭竜弁財天大神様に向き合ってお祈りし幸いに人生を歩んでゆくための一つの指針なのです。
自然に帰った状態でいれば、人智を超えた神様の世界から膨大な力が降りてきて、それこそ奇蹟を授かって、人生が幸いに向かってゆきます。
ひとは一人ひとりみな違います。同じお人であっても、その人生のなかでどのような年代(段階)を歩んでいるかによっても異なってきます。
どのような状態が今の自分にとって「自然に帰った」あり方なのか、それはお一人おひとりがご自身の感覚で捉えるしかないのではないかと、私は感じております。
「自然に帰った」あり方で歩まれていれば、その人にとってふさわしい奇蹟が立ち現われて人生がよい方向に向かってゆくのです。
そうではなくて「自然に帰った」状態からズレてしまっていては、うまくはいかないのです。うまくいかないのは多くの場合、神様からの「ああ、ちょっとズレてしまっているよ」というお知らせなのです。ズレてしまった時は、また「自然に帰った」あり方に戻してゆけばよいのです。
奇蹟の社 九頭竜大社にはこのように「自然に帰れ」という御教えがございます。
どうぞ皆様、よきお参りをなさいますように。
九頭竜大社 神主 大西 正浩